らせん零が持つ整体の効果と可能性 中島院長インタビュー
さくら整体院 本庄店では、らせん零という整体技法を取り入れた仕術※を行っています。
「らせん零は、押さない・揉まない整体です。つかみどころのない技法だと思われるかもしれませんが、体の痛みがとれ普通に体を動かせるようになった患者さまがいるのは確かです」と、真剣な眼差しで語る中島院長。
らせん零とはどのような整体技法なのか、数ある整体技法の中でなぜらせん零を選んだのか、同院の中島院長にお話を伺いました。
※らせん零では「手技をもって依頼に応え仕える」という意味から、あえて“仕術”と表現しています。
リラクゼーションから整体治療へ らせん零との出会い
➡ ——治療家になろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
治療家として活動されている高校の先輩に憧れたのがきっかけでした。
高校を卒業して整体師の専門学校に進み、卒業後治療家として活動を始めて現在に至ります。
➡ ——学生の頃から治療家を志していらっしゃったのですね。治療家としてお仕事をされている時に、米澤浩先生のらせん零に出会ったということですが、らせん零を知ったきっかけについてもお聞かせくださいますか?
当院はもともとリラクゼーションをメインにしていたのですが、気がついたら痛みを訴える患者さまが増えてきたんです。
もっとスキルが必要だと思い、いろいろな方法を試してみたのですが、期待するような効果が得られなかったんですね。
そんな時にネットでらせん零のDVDを知り、なんとなく見てみたら予想以上に良くて。「この方法だったらいけるかもしれない」と思い、米澤先生のセミナーに参加しました。
➡ ——そうだったのですね。らせん零のセミナーを受けられて、どのような感想をお持ちになりましたか?
僕が参加したセミナーではちょうど、おなかの調節を実演していたんです。
で、その調節を受けた時に「こんなことができるなんてすごい!」と感動しました。
それから本格的にらせん零を学ぼうと思ったのですが、実は一度断念しているんです。
➡ ——え、そうなのですか?
らせん零は、従来の整体とは何もかもが真逆なんですよ。しかも、その真逆自体すら何だかわからない状態で。
これは難しすぎるということで、いったん離れました。
それから1年くらいたって、米澤先生がらせん零を教える「零幻道場」を始めたことを知ったんです。
以前よりも理論が体系化されたということだったので、もう一度学び直してみようと零幻道場に参加しました。
零幻道場をへて米沢浩先生の一番弟子に。
「押さない、揉まない」らせん零の効果とは
➡ ——零幻道場は以前よりも学びやすかったですか?
そうですね。
以前よりも理論ができあがっていた分、ある程度は理解できました。
ただ、整体の常識と真逆という点は変わっていないので、完全に理解できたかというと、ちょっと疑問ですね。
そもそもらせん零は、米澤先生が自分の体の動きを分解しながら理論を組み立て編み出した整体術です。米澤先生が体現されたものだから、先生の教えをただ聞いても分からない。聞いたことを自分の中で理論を作って理解するというふうに、理論や技術を習得するまでに3度手間くらいかかるんです。
➡ ——零幻道場で学び、さらにひとつ上の上級コースも修了されたということですが、先生が苦労されてらせん零認定技術者となられたことが容易に想像できます。現在はらせん零をメインに施術を行っているのでしょうか?
そうですね。
当院では体の歪みや痛み、四十肩・五十肩、ぎっくり腰などさまざまな症状を抱えている患者さまに、らせん零を用いた施術をしています。
➡ ——らせん零は、普通の整体のように押したり揉んだりせずに、腸を引き上げることによって全身の血の巡りをよくして体の調子を整える技法ということですが、従来の整体をイメージしていると、「本当にそれで体の歪みや痛みがとれるの?」という疑問が出てきます。
どのような症状に対しても基本的におなかの調節から始めるのでしょうか?
はい。らせん零が目指しているのは、血が流れていないところに血を流して、血流を安定させて痛みを取り除いたり、体を回復させたりすることなんです。
一般の整体のように骨を整えることも一応やりますが、血液の流れを中心に考えている点において珍しい整体技術だと思います。
らせん零の仕術は痛みを伴うこともありますが、それは血流が悪くなっているところに血を流そうとするからなんです。
血が流れきると仕術の痛みは消えるので、仕術中に痛みが出た時は、血流が良くなるサインだと思っていいですよ。
➡ ——血液を中心に考えている整体とは、本当に珍しいですね。珍しいと言えばらせん零の技法もすごく特徴的だと思います。
先生が仕術をしている様子を動画で拝聴しましたが、指がおなかの中に深く入っているように見えるので「らせん零は押さない整体技法」といわれても、にわかに信じがたいです。
あの状態で指を押し込んでしまうと、患者さまは悶絶してしまいます。
第一圧力をかけると筋肉は固くしまりますので、あそこまで深く指を入れることはできません。
らせん零の技術は、おなかを押さずにリラックスした状態を作り、患者さまの体の作用を利用して手を入れていきます。
なので、患者さまの体に負担をかけることなく内臓や筋肉、腱を引っ張って体の重力バランスを整えることが可能なんです。
こう説明してもイメージしにくいかもしれませんね。
簡単に言ってしまうと、シワが寄っている箇所をぱっと平たくする。シワが寄っている箇所は不具合が生じているので、そのシワを伸ばして体の具合を良くするのがらせん零です。
➡ ——先生のところにはいろいろな患者さまがいらっしゃると思いますが、らせん零を習得してから「対応できる症状の範囲が広がった」などの変化はありましたか?
取り除ける痛みの種類が増えたと言うか、痛みを取り除いてあげられることが増えたと思います。
整体に通っていても治りが悪かったり、「治らない」と言われたりした患者さまも多く来院しますが、仕術の後「先生のところでないと治らなかった」と声をかけられることも多々あります。
この間来院された患者さまは、これまで膝を2回手術して毎日痛み止めを打っておられました。
膝を曲げるとミシミシと音が出るほどだったのですが、一回の仕術で普通にしゃがんでジャンプまでできるようになったんです。
➡ ——えっ!? それは本当にびっくりです。
らせん零は武術がルーツですが、相手を攻撃するための術から、攻撃を受けた体を治す術に発展した流れをくんでいます。
相手を攻撃するにしても治療するにしても、効果をあげるには当然体のことを正しく知らないとうまくいきません。
そうしたバックグラウンドを持つ技法なので、筋や腱を引っ張って偏りをなくすことが体を正常に動かすことにつながっていると考えています。
「人が自分で回復できる仕組みを整えたい」
中島院長が描く整体の将来
➡ ——らせん零を通じて、今後どのようなことに挑戦していきたいですか?
米澤先生のアシスタントとしてセミナー講師を担当したり、自分で生徒さんを持ったりするなど、らせん零を教える機会が増えてきました。
今後は、治療家と並行してこうした仕事にも積極的に取り組んでいきたいですね。
僕は人の体の仕組みに興味があって、今携わっている仕事は全て研究の一環だと思っています。
らせん零に興味を持ったのも、人体をよく理解したうえでの技法だったからかもしれません。
整体も研究の一部ですが、らせん零を通じて人の体についてより理解を深めていきたいですね。
➡ ——先生のお話を伺っていると整体の奥深さを感じます。最後に、整体について将来の展望をお聞かせいただけますか?
僕の考えている整体とは、らせん零も含めてですが、現時点の医療ではなし得ないことをなし得る技術であると思っています。
多くの人は、整体に対して怖い・痛い・つらいといったイメージを持っていらっしゃいます。
けれども、整体は人の体を癒やして正常に機能するのを助けることが本来の役割です。
整体について正しい知識を広めるとともに、ある程度自分で自分の体を回復できる仕組みを確立して普及していきたいと思います。
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